「感情移入・・・連歌の伝統を持つ日本人」
2007年11月13日
先日、経営者を対象にした勉強会に参加しました。
そこで、ある会社における新卒採用の選考方法を知ることになります。
それはなかなか面白い趣向でした。
学生にショートの物語を語らせ、即席で次の学生がその話に尾ひれをつけ、
話をつなげていく、さらに次の学生も・・・。
結果まるで駅伝競走のように複数の作者がつくる一貫の物語が出来上がります。
正に人間として他人を思いやる心が試されるものでした。
仮に頭が良くても前後の人の文脈や想いを無視して独善的なストーリーを展開
すればその人物の人間性が露呈してしまいます。
その昔、日本には「連歌」という高度に洗練された芸術がありましたが、
こちらも同じようなものです。
ある人が5-7-5の和歌を詠むと、次の人が7?7の短句を付けて、さらに次の人が
5-7-5を付け加え百句になるまで長句と短句を連ねていく・・・。
正に「シナジーの芸術」「コラボレーションの極み」とでも言いましょうか。
仕事の上でも協業、協働する以上、他者に感情移入することは大変必要なことと思います。
さらに他者の成果を最大化させることを前提で、自らの成果を創出していく・・・。
「幾度も雪の深さを尋ねけり」正岡子規の名句です。病床で外の様子を知ることの
出来ない子規が愛する妹に何度も雪の積もり具合をたずねるその想いに私は希望の
光を感じるのですが、
もし後の句をつなげるとしたら・・・
お客様が築き上げたものや仲間の成果に対しては・・・
(何をどの様につなげていくか・・・)
身勝手な私には常に心に置かなければならない課題です。
シニアコンサルタント 吉田淳