時代の流れを読む
2007年11月01日
世界柔道にて日本期待の井上康生、鈴木桂治が、相次いで不可解な判定で敗れました。
両者とも、世界に敵なしとまで言われた、柔道の天才であったにも関わらずです。
井上康生は小内刈りを仕掛けたところを返されての判定負け、鈴木桂治は大外刈りを完全に
決めたあとに転がされての一本負け。
どちらも返し技で、一本を取られています。
井上・鈴木両選手とも判定が下ったときには、首を横に振り、「理解できない」「俺の
勝ちだろう」という困惑にも似た表情を見せていました。
彼らの中では、自分が先に技をかけて相手を制して(勝って)いたのです。
そして、彼らを育てた監督でさえもそう信じていました。
「油断でもミスでもなく、完全に勝っていた!」
こういう認識の中で、自分の認識と判定が食い違っていたのです。
なぜ、このような問題が起こったのか?
古来より日本柔道の考え方では、仕掛けた技で先に相手を制していれば、その時点でその選手に
ポイントが入ります。返し技も、明らかに相手を制して返していれば、返し技としてみ
とめられますが、倒されながらの返し技は苦し紛れにしか見られません。
ようは、相手をいかに制しているかが判定のポイントになります。
一方、今の世界柔道の考え方は、例え倒されようが、最期まで技をかけ続けたものに
ポイントがつくようです。
はい。
簡単に言うと世界柔道では「最期に技をかけ続けたものにポイントを与える」
この、認識が日本人と外国人でずれていたのです。
これは、とても重要です。
どんなスポーツにも忘れてはならない掟とさえ言えるものがあります。
その掟とは、ルール・法律です。
畳で、最も権限のある人間は審判です。
彼らはいわば、畳のうえの法律です。
無免許運転すれば、プロレーサーでも警察に捕まるように、法律を無視して、
勝利を収めることはできません。
私も6年柔道してましたので、最初「誤審すぎる」と思っていた一人です。
時代の流れと共に、ルールや法律は変わっていくという、極めて重要なことに
気付かされました。
人間、一つのルールを数年間守ってきたら、なかなか転換できないですからね。
そういえば、個人情報保護法の全面施行が来年4月に迫っているようです。
この法律では、”個人情報は収集した企業のもの”というこれまでの常識が否定され、
”企業は個人情報をお預かりしている”という考え方へと転換していくことが
求められています。
個人情報保護法の全面施行後、個人情報の扱い方はますます厳しくなってくること
が予想されます。
「事が起こってからでは遅い。」
事が起こってからでは、謝っても済まされない場合もある。
事が起こってからでは、責任をとりきれない場合もある。
今回の日本柔道によって教えられました。
常に将来の動向を予測し、常に最悪のリスクを回避するよう行動していきます。
同様に、将来の動向を予測し、チャンスを掴む行動をしていきます。
企画部 矢野