[ 2006.10.10 ]
━ Change Management System MAIL MAGAZINE ━━━━━━━━━━━━━━━
CMSの秘策 ~業績向上は1日にしてならず~
http://www.change-ms.com/
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 2006.10.10 /vol.028 ━━━━
こんにちは、企画部の森本です。
会社の前にあるイチョウの木は、早々と銀杏の実を
落とし始めていますが、台風が近づいたため、気温が
30度近い気温の日もあったりと、季節の変わり目を
ひしひしと感じています。
さて、先日、夕暮れ時に都内某所にて、ぶらぶらしていた
ところ、とても素敵なお店を見つけました。
小さな、ワインカフェです。
飛び込みで入ったお店で、どのワインにしようと
迷っていたのですが、元々ワインには精通しておらず
銘柄だけ見ても、さっぱり分かりません。
そこで、ここの店主が登場し、まず私たちの好み
(赤・白、甘口・辛口…)を聞いてくださった後に
「これは辛口で、濃い味がし、はちみつのようなコクが
あります」とか「こちらは甘口で、後味に、ほのかな
チョコレートのような風味があります」など、
ワインに詳しくない人に対しても、日常で
口にした事のあるものに例えて、説明してくださったのです。
もちろん、実際の味も、説明通りのものでした。
相手が未知のものを説明する難しさを日々感じていた私は、
改めて「人に説明する」ことを相手の立場に立ち、
分かりやすい言葉で伝える、ということを考え直す
機会となりました。
仕事をするうえでも、相手に「説明」をする場面が多々あるかと
思いますが、美味しいワインを片手に、感じたことは
相手が、必要としている情報を分かりやすく説明できるスキルを
もっともっと磨かねばいけないな、ということでした。
■INDEX
[1] コラム「企業における人材の定着」について
?コンサルタント 前沢富士子による3話連載コラムです!
[2] 第二回・「新人即戦力化」セミナーのご案内
[3] メルマガリニューアルのお知らせ
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■■ 企業における人材の定着 最終回 ■■
?2006年版中小企業白書から考える?
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■ CMS コンサルタント 前沢 富士子 ■
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コンサルタントの前沢です。
「企業における人材の定着」と題して、2006年版の中小企業白書をもとに、
初回は若年者(※白書の定義では16才?34才)の定着・離職の現状について
確認し、第2回は、企業と若年者の情報のギャップについて考えました。
最終回となる今回は、企業における若年者定着率と、業績との関連に
迫りたいと思います。
今回もまた白書からのデータを見ていきます。
最初に2つのデータを続けてご覧下さい。
【データ1:若年者の定着率と企業業績の関連】
┌─────────────────────────┐
| 定着率 増益傾向┃ 横ばい ┃減益傾向 |
|----・----・----・----・----・----・----・----・--|
|30%未満 18.6┃31.7┃49.7 |
|30?50%未満 23.8┃34.7┃41.5 |
|50?70%未満 24.5┃34.8┃40.7 |
|70?90%未満 28.5┃36.5┃35.0 |
|90%以上 29.1┃35.6┃35.4 |
└─────────────────────────┘
【データ2:若年者の入社5年後の定着率が50%以上の企業について】
「若年者定着による企業業績にプラスとなるメリット」
┌───────────────────────────────┐
○「職場に活気が出て従業員の士気が高まった」
○「若年者が入社後に修得した技能・知識を活用できた」
○「若年者特有の新しいスキルを活用できた」
○「採用・教育のコストが低減した」
○「若年者ならではの新しいアイディアが新商品開発等に活用できた」
○「優秀な若年者の応募が増加した」
└───────────────────────────────┘
との選択肢の中で、どの企業規模(1?20人、21?50人、
51?100人、101?300人、301人以上の5分類)
でもあてはまるとの回答が高かった選択肢は
┌───────────────────────────────┐
○「職場に活気が出て従業員の士気が高まった」平均60%
○「若年者が入社後に修得した技能・知識を活用できた」平均44%
└───────────────────────────────┘
とあります。
上記のデータ1と2から言えることは、若年者の定着率が即、企業業績に
結び付くものではないが、若年者の定着率が高まることによって、
組織が活性化し、ナレッジの共有も進み、結果的に業績向上にも結び付いている
と考えられるのではないでしょうか。
次に「定着率に差が出る中小企業の取り組み」について見ていきます。
【データ3:下記の項目に関し「貴社における取り組みについてあてはまるか」
という問いに対し「おおいにあてはまる」「ややあてはまる」
と回答した企業の割合】
(単位%)
┌───────────────────────────────────┐
|『定着率』が..........................低い企業┃平均的な企業┃高い企業|
|----・----・----・----・----・----・----・----・----・----・----・----|
|○経営戦略とリンクした求める ┃ ┃ |
| 人材像が明示されている 28.3┃ 35.1 ┃41.4|
|○経営者や役員と意見交換が行いやすい 52.2┃ 52.9 ┃59.9|
|○若者が相談しやすい雰囲気を意識して ┃ ┃ |
| 作っている 42.6┃ 50.6 ┃55.6|
|○キャリアパスを明確に示している 14.1┃ 16.9 ┃24.7|
|○若年者一人一人に目標を設定し、 ┃ ┃ |
| 管理している 37.0┃ 44.8 ┃50.3|
|○上司の評価項目に部下の教育能力が ┃ ┃ |
| 含まれている 43.7┃ 58.6 ┃61.9|
|○自己啓発・キャリアアップのための ┃ ┃ |
| 援助を行っている 41.4┃ 50.0 ┃57.8|
|○優秀であれば若くても重要なポストを ┃ ┃ |
| 担わせている 74.6┃ 71.8 ┃71.1|
|○成果・貢献に応じて報酬で報いている 63.9┃ 65.6 ┃65.6|
|○同業他社と比べて高い賃金を出す ┃ ┃ |
| よう努力している 35.6┃ 35.9 ┃38.9|
|○休暇取得がしやすくなっている 45.6┃ 36.9 ┃43.9|
|○労働時間がフレキシブルである 23.6┃ 27.1 ┃25.0|
└───────────────────────────────────┘
とあり、定着率が低い企業と高い企業で回答が10%以上差があった項目は、
●経営戦略とリンクした求める人材像が明示されている
●若者が相談しやすい雰囲気を意識して作っている
●キャリアパスを明確に示している
●若年者一人一人に目標を設定し、管理している
●上司の評価項目に部下の教育能力が含まれている
●自己啓発・キャリアアップのための援助を行っている
そして、白書では『労働時間や休暇、賃金などの「労働条件面」については
定着率の高い企業と、低い企業の間で取り組み状況に差は見られない。
若年者の定着に差が出ている取り組みは、
1.意見交換や相談がしやすいなどの「風通しの良い職場づくり」
2.キャリアパスの明示や目標管理制度、教育などの
「若年従業員の成長を促進する取リ組み」の2つにおおむね区別できる』
と分析しています。
以上のデータと、前回、前々回とご紹介したデータを総合的に見ると、
企業として、若年者の育成を経営課題の一つとして捉え、成長を促す
取り組みを社内で「仕組み」として持ち、その仕組みを回していけるだけの
マネジメント力を持つことが、結果的に若年者の定着率を上げ、
企業の業績向上につながっていくといえるでしょう。
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