果たして、WHYが全てなのか?
2008年04月28日
部下を育成する際、WHYを多用する上司は多いですが・・・
●WHY(なぜ)という言葉には、強く考えさせられる何かがあります。
「なぜ君は、その仕事を時間内に完成できなかったのか?」
「なぜ君は、同じ過ちを繰り返すのか?」
「どうして、あなたはこの小さなハードルが超えられないのか?」
トヨタ自動車で有名な「カイゼン」も、問題の原因を突き止めるために
WHYを繰り返しながら、その根に辿りつこうとします。
また、セールスにおいても、トップセールスほど、相手の思考の源泉に
辿りつくためにWHYを繰り返すことは、よく知られています。
(勿論、「なぜ」という単純な言葉ばかりは使いませんが)
●原因を特定するために、WHYという言葉はとても効果的ですが
一方、人材育成においては、このWHYという言葉の強さには気を
つけなければなりません。
普段から、何気なく使ってしまうこのWHY(なぜ)という質問には
実は、受け手に対して強い否定感が残ります。
●先ほどの例で、「なぜ、君は同じ過ちを繰り返してしまうのか?」という
質問を部下にしたとします。すると、たとえ上司が、「その部下がミスを
犯してしまう原因を一緒に探り、解決したい」と思っていても
その言葉を毎回聞く部下には同じような気持ちになれないのです。
「なぜ?って言われても、自分でも、なぜかが分からないのに。」
「なぜ?と言われても・・・遠まわしに僕を追い詰めているのかな。」
こんな気持ちになってしまいがちなのです。
●「なぜ、あなたは○○してしまうのか?」という言葉には
なぜという問題の中に、あなたの存在自体も含まれてしまうのです。
これでは、本来の原因を特定する前に、あなたの存在自体に目が
向けられてしまうのです。
ですから、人材育成の上手い上司は、WHYの持つ否定感に配慮します。
代わりに「WHAT」を多用するのです。
●「WHAT」・・・何があなたに対して同じミスを起こさせてしまうのか?
この言葉で、部下の心理的ストレスは一変します。
「あなたに原因があるのではなく、何かがあなたを困らせている」と
第三者の目線で問題を考えることができるのです。
その何かを、部下と一緒に考えることで同じ目線を共有し
同じ問題を抱え込み、部下の自律的な行動を促します。
●WHYの代わりにWHATを。
これはコーチングの基礎的な考え方なのですが
部下を育成したり、問題を客観的に考えてみることのできる魔法の言葉です。
勿論、セールスにおいて顧客の心理を考える際にも有効です。
「なぜ買わないのか?」ではなく、「何が買わなくさせているのか?」
恋愛においても同じことが言えるのではないでしょうか。
「何が彼・彼女のガードをきつくしているのか?」・・・
WHATを使うことで、冷静になって考えることができそうです。
名古屋支店長 西田敬一


