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京都・祇園の大繁盛ステーキ屋さんに学ぶ

京都・祇園の大繁盛ステーキ屋さんに学ぶ

2008年04月20日

 



学生時代、祇園のステーキ屋さんで、長らくアルバイトをしていました。




●京都の老舗店と言えば、例外なく「一見さんお断り」のお店です。



 もちろん、僕がアルバイトをしていたそのステーキ屋さんでも同じです。



 このステーキ屋さんでお世話になる以前は、「一見さんお断り」



 というシステムが 、どうも、京都気質(言葉は悪いですが、お高くとまっている印象)を



 物語っている様に思えて 受け付けられませんでした。



 ところが、実際に中で働いてみると、このシステムほど、商売を末永く行うに相応しい



 ものはないと確信したものです。



●そのステーキ屋さんは、テーブル席はなく、カウンターのみで8席しかありません。



 夕食のピークはおおよそ6時から9時であり、一組で2時間ほど食事にかかるので



 実際には一日でほぼ1回転しかしません。



 そのステーキ屋さんは高単価でもあり、仮に一日8名で終わったとしても



 かなりの収益が出ているはずだと、お客様からよく推測されていました。



●しかし、内情はそれほどでもなく、言って見れば、利益はもっと出せるけど



 あえて出さない選択をしているといった方が正しいかもしれません。



 続けるための企業努力が、そこにはあるのです。 



 その仕組みの一つが「一見さんお断り」です。



●実は、8名の席は、常に満席でないのです。



 6名までお客様が入っていても、あとの2名を空席にしているケースも多かったのです。



 晩御飯のピーク時に飛び込みで新規のお客様が突然やってきます。



 入り口までいくと、マスターが一言



 「すみません、今日はあいにく満席でして・・・」という、お断りをします。



 勿論、席はしっかりと空いています。



 また同様に、新規予約の電話が鳴ります。



 しかし、あまり聞いたことのない声や、紹介がないと分かると



 マスターは決してその残りの席を空けません。



●僕は学生ながら、せっかく目の前の席が空いているのに、なぜ、



 マスターがそんなに断りをいれるのかが、当初は理解できませんでした。



 しかし、後になって知ることになります。



 マスターが断りを入れていた理由は二つあったのです。それは、



 1) そもそも本当にいいお肉は十分な数が取れず限られている。



    だからこそ、長年、通い詰めてくださる常連のお客様のために



    その上質なお肉をとっておき、その方達に常に新鮮でいいものを



    提供したいという思いです。 こちらの利益だけを求めて、



    無理な仕入れを続けると、結果としてお客様にいいものが



    提供できなくなります。それが、最終的にお客様の店への評価につながるのだと。



 2) また、常連さんが突然来られたときに、座る席がなくては困るという理由もあります。



   常連さんの急な来訪に対処できるようにするためです。



   1回きりかもしれない、新規の飛び込みのお客様に席をあけるくらいなら



   これまでよく面倒を見ていただいた常連のお客様のために、そっと席を



   あけて待っておくことの方が大切だと。



   勿論、お客様は普段そんなことは知りません。



   また、あえてマスターも言いません。



   取り立てて言う必要のないことなのです。



   お互いがお互いを尊重しあっている。そんな関係でした。



●「一見さんお断り」のシステムは、実は、既存顧客へのおもてなしを



 最大限にするための、昔ながらの先人の知恵であります。



 「本当にいい物を、本当に限られた人へ。」



 お客様を選ぶからこそ、コアなファンとなるお客様が現れてくれる。



 そしてお客様との関係を永らく保つことに対して、精一杯の努力を



 することでのみ、お客様から選ばれ続ける。



 京都・祇園の繁盛店が実践する究極の顧客サービスの姿がそこにはあります。



名古屋支店長 西田敬一



 


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